「余白」をデザインする
posted : 2018.04.12
こんにちは、ma-ya’s CREATE[まーやずくりえいと]です。
僕なんかがデザインについて語るのは何となくおこがましい気がするんですが、常々感じていることを少し書こうかなと。
グッドデザインとイマイチデザインの決定的な違い
バンドでフライヤーやバナーのデザイン担当をしていると他のバンドの諸々のデザインをじっくり見る機会が多いです。
ライブハウスなんて所狭しとツアーバンドのポスターやらフライヤー・ステッカーが壁に貼ってありますしね。
バンド、特にインディーズバンドはそこら辺をDIYでやるところが多いです。
自分達で出来なくとも、友達で描画ツールを使える奴なんかに頼み込んでやっているとかがほとんど。
理由はズバリ経費の節約ですかね(苦笑
自分もWEBデザインをやるまでは相場を知らなかったんですが、いわゆる業者等の「プロ」にオリジナルでフライヤーデザイン頼むと、印刷費込みで数万かかっちゃうんですよね。
あとバンドマンには元々DIY好きが多いので、お金の問題もさることながら自分たちでやってみよう、となるケースが多いわけです。
当然アーティストなので、DIYでもすごく良いセンスしてる人とか、テクニックを持ってる人は結構います(偉そう)。
正直「うわーまだ今の自分にこのデザインは出来ねーや」と凹むこともしばしば。
でももちろん、良くも悪くも”DIY感”が出ている・出ちゃってるものも多いです。
良い意味では「手作り感」。悪い意味では「素人感」(言葉悪くてすんません)。
自分はずっと、悪い意味で「素人感」が出てしまっている作品もじっくり見るようにしてきました。
たぶんこれからもそうだと思いますが、良い作品を見ることももちろん大事だけど、イマイチな作品を自分なりに分析するのはもっと大事だと思ってます。
で、何がいけないんだろう??と見ていると大抵いつも同じ結論に至ります。
余白の使い方(演出の仕方)が下手
広い意味ではフォント(文字)の大きさもこれに関係あると思ってます。
フォントを大きくすると、必然的にフォント周りの余白が狭まる訳ですからね。
個人的には、余白の使い方が下手なもので良いデザインと感じたことは無いです。そう言い切れちゃうくらい。
昔の自分は、とにかく余白を作るのが怖かった気がします。
スペースが空いたところにはとりあえず何かアイコン突っ込んだり、周りのフォントを大きくしてみたり。
で、やってみた結果「なんか微妙だ…」の繰り返し。技術的な知識もあまりに不十分だったので何か試す度にググって時間を浪費してました。
でもある日、なんとなしに見ていたギャラリーサイトのバナーに衝撃を受けました。
これです。
映画「キル・ビル」の広告バナーを恐らくどこかの人が勝手に?作ったものです。
このデザインは出来ない。当時の自分はおろか今でも出来ない。
余白が怖い。クライアント様に提出するのが怖い。
「手抜きしないで下さい」って怒られている自分が容易に想像できる。
でも僕はこれをイチ鑑賞者として見た時、「手抜き」とかそういう悪いイメージではなく、単純に良い!そして凄い!と思いました。
それまでの自分のデザインは基本的に「足し算」
とにかくその頃は描画ツールのテクニックをググって調べるのに必死で余裕がありませんでした。
余裕がない時は自信が持てません。無い自信を埋めるために、とにかく出来ることを何でも詰め込もうとします。
結果、出来上がるものは美しい余白感なんて皆無な、メリハリのない煩雑なデザインです。
もっと言うと、それはデザインではないかもしんないです。自分の持ってる数少ないテクニックをただ詰め込んでるだけ。
でも↑のバナーと出会ってから、余白に対するイメージとか考えが変わりました。
「引き算」によって演出された「余白」こそ美しい
よくテレビなんかで和食料理人が言っているように、「引き算」はデザインでも大事なんだとその時に痛感しました。
そしてその「引き算」によって演出された「余白」こそが良いデザインなんだとも思いました。
その結果、フライヤーでもバナーでもなんでも、必要な情報と必要のない情報を前もってなるべく仕訳けるようになったし、あっても無くても良い情報はよく吟味して、敢えて切り捨てる事も覚えました。
この気付きはかなり自分的にでかかった気がします。
それまではフォント選びの重要性くらいしか意識せずやってましたが、加えて「余白」にもすごく気を遣うようになりましたね。
そして今現在はというと、足し算が必要な場合もあるし、ごちゃごちゃ感が逆に良いデザインもあると思っています。
ただ「余白」はごちゃごちゃ系デザインを制作する時も必要な基本概念だと思うので、それをベースに今後もっといい何かを生み出せるように頑張ろうと思っている次第です。
もしどなたかの参考になればいとうれし。
あくまで個人的な見解ですので、その点何卒ご了承をmm